書籍_キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生
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1920年代、禁酒法時代のアメリカ南部オクラホマ州。先住民オセージ族が「花殺しの月の頃」と呼ぶ5月のある夜に起きた2件の殺人。それは、オセージ族とその関係者20数人が、相次いで不審死を遂げる連続殺人事件の幕開けだった―。私立探偵や地元当局が解決に手をこまねくなか、のちのFBI長官J・エドガー・フーヴァーは、テキサス・レンジャー出身の特別捜査官トム・ホワイトに命じ、現地で捜査に当たらせるが、解明は困難を極める。石油利権と人種差別が複雑に絡みあう大がかりな陰謀の真相は?米国史の最暗部に迫り、主要メディアで絶賛された犯罪ノンフィクション。アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)受賞!
映画がすごくインパクトがあったので、書籍も読んでみた。実は映画を見る前に最初の20%だけ読みかけたのだが、その時はそこまで面白い本とは思えず。それで映画を見に行って、その後、読書したら、映像が目に浮かぶので没入できた、という流れ
書籍で読んでも改めて酷い歴史。アメリカ白人の原罪・・・・。アメリカ白人の現在というか近代資本主義の現在という気もする。
書籍の方が、細いことが書いてある。
白人のインディアンや黒人に対する「同じ人間と思わない」非道ぶりが凄まじく絶句する。
この「不公正」はここに限ったことではないのは自明だろう
だが、進歩主義の改革熱の陰には、えてして、醜い面も隠れていた。多くの進歩主義者は白人プロテスタントの中産階級に属し、移民や黒人に根強い偏見を抱き、自分たちは高潔な権威側であると信じて疑わず、民主的な手順を軽視することがあった。進歩主義のそうした一面は、フーヴァーが抱えていたきわめて暗い衝動とよく似ていた。
見ていないけど、自国の暗部を映画にするという構成は、今年の「福田村事件」と同じ部分があるのかもしれない。
すでに、散々指摘されているけれど、この本の内容をよくあの映画に脚色したなと思う。アカデミー賞脚色賞は固いだろう。
オセージ族の指導者ベーコン・ラインドは、一九二六年にこう指摘している。「白人の中には誠実な者もいるが、ごくまれである( 14)」オセージ文化研究では右に出る者のいない人類学者ギャリック・ベイリーは、わたしにこう語った。「もしヘイルが知っていることを話していたら、この郡の指導的市民の大半が、刑務所送りだったでしょうね」実際、社会を構成するほぼすべての集団が、この殺人システムに荷担していたのである。つまりそれは、この社会の構成要員ならだれもが、ワシントンで殺害されたマクブライドの事件に関与している可能性があるということだ。
COTEN ラジオのシンドラーの回の最終回がリンク。人間が、人をまとめて「この人たちに何してもいい」と思うと危険。アウシュビッツもそうだし、これもそうだし。右派左派罵り合いもそうだと。
2023/10/27